今日はクリスマス。
我が家での恒例行事、クリスマスパーティーが開催される。
俺は勿論、可愛い妹たちにプレゼントを用意しているのだが…。
昨日、イブの出来事だった。クリスマスは家族で祝うのでとクラスの奴らとパーティーをした。
まぁ、普段付き合うのとそんな変わらずに、カラオケで馬鹿騒ぎしているだけなのだが…。
しかし、そこであるプレゼントを貰った。
アイツいわく、「一護。明日は家族でパーティーなんでしょ?じゃぁこれ、僕からのプレゼントvこれを来て柚子ちゃんと花梨ちゃんにプレゼントをあげたら絶対に喜ぶよ。フフッv」らしい。
勿論、こんな事をするのは水色の奴しかいない。
一体何処で手に入れてきたのやら…渡された袋にはサンタ服(しかも何故か半ズボン)が入っていた。
で、今に至るわけだが…これを俺に着ろってか!?
こんなベタな‥しかもこんなカッコをするなんざ恥ずかしすぎる!
・・・だが、確かに妹たちは喜ぶかもしれない。(認めたくないが・・。)
母親が死んでから、アイツらには寂しい思いをさせてばかりだし…今日くらい、背伸びしないで子供らしく楽しんで欲しいと思うのが兄心というものだ。
でもなぁ~、それとこれを着るってのは・・話が違うだろっ!?
そうだ!あの熊に着せるってのはどうだ?こういうイベントはいつもノリノリだからなっ!
・・・・いや、駄目だ駄目だっ。想像しただけでキモイだろ!!
せめてズボンだったらなんとか、だがこれ…半ズボンだしなぁ~。(だから俺も着たくないんだが。)
こんなモン、あのクソ熊に着せたらパーティーを楽しむどころか台無しだ。
やはり、覚悟を決めて俺が着るしか・・・。
PM.7:00
黒崎家の夕食の時間だ。
俺はどうなったかと言うと・・・
「キャァ~~ッ!お兄ちゃん可愛いぃ~~~ッ!!!サンタさんだねっv」
「どうしたの一兄、それ?・・まぁ似合ってるけどさ。」
と、妹達には大好評だ。
毎年、クリスマスはオヤジがやけにハイテンションで勝手に盛り上げているが、今年は妹達もいつも以上に楽しそうでこんな格好をしただけはあったという訳だが・・。
「わはははっ!似合うだろっ!!一護のサンタ姿はーーッ!さすが俺と母さんの息子っ!ますます母さんに似てきちまってっ!・・・うをぉぉぉーーーっ!!母さんぅぅーー!一護がぁ~~!一護がぁ~~!!」
馬鹿オヤジは叫びながらお袋の位牌に張り付いて「嫁にはやらんぞっっ!!」などと叫んでる。
「誰が嫁だっ!このクソ熊がっ!!」
一発喰らわしてから黙らせた。
なぜ、俺がこんな目に合っているかというと・・
実はサンタ服を前に葛藤中、オヤジに発見されて何か勝手に勘違いされた挙句・・無理やり着せられ現在に至るという訳だ。
くそっ!柚子と花梨の為じゃなかったらこんな格好‥。
さっさと終わらせて早く着替えたいもんだ。
そう思いつつも・・
「お兄ちゃん!今年は頑張ってケーキも作ったの。どう?おいしく出来たかなっ?」
柚子はケーキを切り分け、俺に差し出したので一口食べて「あぁ、旨いよ。柚子は料理上手だな。」と笑顔で頭を撫でてやると「えへへっv」と嬉しそうに笑っている。
「柚子、頑張って作ってたんだよ。」と花梨は言いながら食べており、
「柚子の料理は世界一だからなっ!さすが俺の娘っっ!!・・・所で柚子ちゃん、俺のケーキだけ小さくないかな?」
と、今年もいつも通りの家族パーティーを楽しんでいると格好も大して気にならなくなっていた。
その後、折角なのでプレゼントは袋から出して渡し、黒崎家のパーティーは終了した。
「ふぅ、疲れたぜっ・・・。」
俺は部屋に戻るとベットにドサッと転がり、天井を見上げてボーっとしていた。
柚子や花梨が喜んでいる姿を見るのは嬉しいが、何分あのオヤジのテンションが高くて疲れるったらありゃしねぇ。
疲れて着替えもせずそのまま転がりながら、気がつくと浦原の事を考えていた。
いつもの事ながら、こういう行事は毎年家族で行うので今日も会えていない。
俺の都合だからしょうがないのだが、浦原は一緒に過ごしたいとか思わないのかよ…。
この前も笑顔で「大丈夫ですよ。判ってますからv」とか、やけに物分りがいいし。
いやっ!駄目って言われても困るんだが、なんかこう‥俺だけ会いたいみたいじゃねぇーかよっ!
今でも突然、窓からやって来てくれるんじゃないかと何処か期待している自分がいる。
くそっ!こんな女々しく思う自分が嫌になる。
・・・俺は吹っ切るように窓と逆方向へ寝返りを打ち、ベットに顔を埋ずめながら「――浦原ッ・・・。」と呟いた。
「はい?何ですかぁ~。一護さんv」
すると風とともに返事が返ってきたので、思わず飛び起きて窓際を見たらそこには・・
たった今、欲していた人物がいた。
「浦原っ・・・なんで…?」
思わずそう呟くと、浦原は心外そうな顔をして「そりゃぁ~折角のクリスマスですもん、一護さんに会いたいじゃないっスか!そんなんで、我慢できずに来ちゃいましたv」
そんな飄々と言いのける浦原が悔しくて‥でも同じ気持ちでいてくれた事が嬉しくてたまらなかった。
浦原は窓枠に腰をかけて、こちらを眺めている。月を背後に佇む姿はやけに絵になって、思わず見惚れてしまった。
「・・・それにしても一護さん、随分と可愛らしい格好をされてますねぇ~。それでアタシを待っていてくれたんすか?v」
その言葉で思い出した。サンタの格好から着替えるの忘れてたっ!!
「いや・・これはその、色々と訳があってだなぁ・・。」
冷や汗をかきながらどう繕えばいいのか考える。
やべぇ‥アイツがあんな風に笑ってる時は碌な事がねぇんだよな・・。
「へぇ~、・・・まぁ取り合えずいいっス。可愛いサンタさんが素敵なプレゼントを用意して下さったんすからv・・・フフッvありがたく頂戴するとしますかv」
すると浦原はベットにいる俺に覆いかぶさってきて、気づいたときには唇が重なっていた。
「――ぅん!・・・はっ・・ぁ‥」
ピチャピチャと唾液の絡む音が艶かしい。
執拗に舌を絡め取られ、唇が離された時には息が上がってボーっとしてしまっていた。
そんな俺を浦原はあの翡翠の眼で射抜いている。
俺が無抵抗な事をいい事に‥首筋に吸い付きながら半ズボンの下から手を入れて太股を撫で上げて来た。
その感触で俺はハッと我に返り、「んっ!・・ちょ・ちょっと‥待てって・・。」
焦って止めようとすると「・・・嫌、何すか?」と尋ねてくる。
「い・嫌って訳じゃ・・ねぇけど…。」
俺はもごもご口篭りならが、小声でそう言うと「・・そうっスね。では――お持ち帰りさせて頂くとしますかv」
などと突然言い出した。
「はぁっ!?今からアンタの店に行けってか?・・無理だよ、抜け出せねぇ。」
仮に抜け出せたとしても明日の朝、俺がいなかったら何て言われるかっ・・。
そんな事を考えていると、「違いますって。…ア・タ・シがお持ち帰りするんですよんv」
そう言うと、浦原はごそごそと何処からか袋を取り出した。
・・・・これは、サンタの袋??
「では一護さん、この中に入ってくださいなv」
突然そう言われ、訳の判らぬまま‥抵抗虚しく問答無用で押し詰められてしまったのだった。
「うわぁぁ~~~っ!!!」
袋に入ると、それまでの圧迫感はまるで無く当たり一面真っ暗だ。
俺はその空間に飲み込まれるように吸い込まれ、その先にある一点の光の方へ飛び出した。
「ぷはぁっ!!」
やっとの事で暗闇から抜け出すと、俺は先程と同じ袋から頭を出している状態だった。
へっ?じゃあ、さっきのは幻覚だったのか・・。
すると急に浮遊感がし、いつの間にか浦原に袋ごと抱きかかえられていた。
「フフッvこれで一護さんは、アタシへのプレゼントッスねんv」
嬉しそうに浦原は言って、俺を布団の上に降ろした。
よく見るといつの間にか浦原商店に来ている。
じゃあ、さっきのは・・・。
「一護さん‥メリークリスマスv 今日が終わる前に言っときますねん。始めると…時間忘れちゃいますから・・。」
気づくといつの間にか、先程と同じ体勢にされており、そう耳元で囁かれた。
「このっ‥エロ下駄がっ!!・・・でも、来てくれて嬉しかった。ありがとな。…メリークリスマス、浦原。」
文句を言いつつも、気持ちを伝え‥恥ずかしくてそっぽを向いた俺の頬に浦原はキスを落としながら・・・
「アタシも嬉しかったですよ・・・一護さんがアタシを呼んでくれて‥。」
そう囁いてくれた。
「一護さん・・・愛してます。…いいですか?」
俺の顔にキスを落としながら、そう聞いてくるので「・・聞くなっ!!そんな事っ・・。」
と真っ赤になりながら、浦原の首に手を絡めて俺からキスをした。
「――っ!・・そんなに煽ると、どうなっても知りませんよ。」
その眼には、獣じみた欲望が映し出されている。
そんな浦原を見て、自分が激しく求められている感覚に思わずゴクッと喉を鳴らしてしまった。
「・・はっ‥上等だっ!・・・俺がアンタの全て、受け止めてやるよ。」
そう答え、それが切欠に二人の長い夜が幕を明けたのであった。
うはぁぁーーーーっ。。やっぱ駄目、途中放棄してるよもう。
ってか、BDやばいのに・・つい、、袋に入ってる一護を妄想したら書いてしまったじゃないかΣ