花火1

 

 

~浦原商店主催・花火大会(黒崎一護様限定)のお知らせ~

 


ある朝、こんなふざけた招待状が届いた。
なんの冗談だ!これっ!?っていうかあの店・・そんなことやってたのか・・。
―――と、混乱したが今はそれ所ではない!くそ親父が来る前に行かないとな。
だいたいこれ、日時とかなんも書いてねぇーし・・・。まっ後で考えればいいや!

・・・と軽く考えたのを後悔する事はそう遅いことではなかった。。

その日の夜――それは突然やってきた。・・・というか攫われた。
「黒崎さ~ん!お迎えに上がりましたよんv」
と言いつつ、急に現れた窓からの侵入者は当然のことながら浦原さんだ。
「はっ??なんのことだよ!」
戸惑いつつ、とりあえず聞いてみると・・・帰ってきた返答といえば・・・
「えぇっ!嫌だなぁ~~。忘れちゃったんスか!?招待状、出したでしょう?」
招待状って??なんのことだ!?―――う~~ん・・・と考えて・・
「ああぁぁぁあぁっっ!!!あれかっ!?今朝あった変な手紙の事かっ!!?なんの嫌がらせかと思ったぜ!」
あの手紙か・・。スッカリ忘れてたぜ・・汗。あれ、マジだったのかよっ・・・。しかも今日なのかよっ!!
すると浦原はいつもの不敵な笑みで笑いながら、
「思い出して頂けました?・・では行くとしましょうかv――おっと、その前に一度商店に寄りましょうねん。」
などと、一人で勝手に話を進めて空飛ぶじゅうたんでさっさと俺を攫って行った・・・。

「おおっ!黒崎殿、お待ちしておりました。ささっこちらへどうぞ!」
そして・・店に着くなり、テッサイさんの厚い歓迎が待ち構えていた・・・。

 

 

さて、テッサイさんに連れられた俺はどうなったかというと・・・
「ではこちらのお召し物にどうぞお着替えを・・・」
などという展開になり、抵抗するまもなく着替えさせられ浴衣姿となっていた。
――花火だから、浴衣なのか?なんか妙に凝ってて嫌な予感がするんですけど・・。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、浦原さんはというと・・・いつもの怪しい笑みを浮かべてやってきて、
「準備出来たみたいっスね!じゃあ行きましょうか。」
と言いながら、近づいてきた。
だが俺はそれどころではない!この際何があっても驚かねぇーぞ!!コンチキショー!とか思ってたけども…

その決意もどこへやら・・やってきた浦原さんに見惚れてしまっていた。
浦原さんはというと、いつもの作業着に羽織ではなくっ!普通の格好をして・・

ってか濃紺の浴衣を着ていて、いつもの帽子は無く、髪を束ねていた。

――自然に歩く姿から決まっていて!しぱらくボーっと見つめてしまった俺は、気まずくって顔が赤くなるのを自覚しつつ・・プイッと横を向いて・・・
「い・行くなら、さっさと行くぞっ!!時間が勿体ねぇ~だろっ!!///
と、憎まれ口を叩いて誤魔化しながら背を向けて入り口に向かって歩き出した。
――くそっ!//// なんだよ、あれっ!反則だろっ!!あんな、か・かっ・・カッコイイなんてさ//// しかも何気にお揃いの浴衣だしっ!!

「・・・一護さんも、とってもお似合いですよv――今ここで食べちゃいたいくらいね・・。」
―――っっつ!!急に後ろから抱きすくめられて、そんなことっ耳元で囁くなんてズルイだろっ!!
そんな――真っ赤になって口をパクパクさせてる俺を、満足げに見つつ・・
「では、行きましょうかねんv」
と、手を引かれて二人で花火を見に向かうのであった。

 

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