「ふふふ~んv たまにはこういうのも悪くないっスねv」
暢気に鼻歌を歌いながら、とある所に向かっていた。
町外れの倉庫。ここに”仮面の軍勢”と呼ばれている、元同僚の彼らがいる。
結界をすり抜け、地下へと続く階段を下っていくと・・・
「こぉら~~!!このハゲ真子!!! 何処行っとったんや!遅すぎるぞ、ボケェー!!」
下から懐かしい声とともにひよ里の鉄拳が飛んできた。
「痛いっ!!・・・でもこの拳‥間違いない、ひよ里さんだぁ~っv」
そう言うと同時には跳びついた。
「ひよ里さん、会いたかったッスよ~!お久しぶりッスv」
そんな突然の喜助(体・真子)の行動に、ひよ里は何が起こったのかついていけない様子で少しの間固まっていたが‥我に返ると
「なにすんのや!このハゲがっ!!キショイっちゅうねん…は~な~れ~ろ~~っ!!」
と、引き剥がしにかかった。
そんなひよ里を気にもせず引っ付いていたが、様々な攻防の中、最後にはひよ里の強烈な回し蹴りで吹っ飛ばされて‥剥がされる形となった。
「あぁ・・・この痛み、懐かしいッスね~。僕、戻ってきたんだな~。」
転がりながらそんな事をしみじみと呟く喜助(体・平子)の様子を怪訝そうに見て・・・
「こいつ・・・ホンマに頭沸いたんとちゃうか。なんかいつも以上に変すぎやろ!」
ひよ里がそう呟くと、
「ひよ里、・・・もしかしてこの真子、喜助君なんじゃないかなぁ?」
と、ローズが言い出し‥ 「そやな、なんで真子の格好しとるか知らんけど‥喜助やろ?こいつ。」
理沙もローズの言葉に賛同しだした。
「はぁ~?そないなわけ・・・いや…あのアホなら無いとは言い切れんわ。 ハッチ!どない何や!?」
「え‥そう…ですねぇ・・・。私も皆さんの言うとおりだと思います。」
そんなやり取りの中、転がっていた喜助(体・真子)が何事も無かったように起き上がって
「ぇへへv・・・バレちゃいましたか。皆さん、流石ですねぇ~。」
暢気にそんな事を言うと、
「・・・お久しぶりです。皆さんには僕が至らないばかりに不自由な思いをさせてしまってスミマセン。…合わせる顔が無かったんですが如何しても顔が見たくて・・・」
「ちょい待ちぃ!!」
喜助(体・真子)がすまなそうに話していると、途中でひよ里がそれを遮り…
「なんやなんやっ!いきなり来たかと思えばそな辛気臭い顔しよって…このボケがっ!!」
怒鳴りだしたかと思えば、いきなり胸倉を引っ張った。
「・・・スイマセン。」
「謝れ言うとるちゃうわっ!‥そないな事、誰も思っとらんのや!・・・・もうちょい早く顔見せや‥。今度はお前の体でな。」
「そうだよ、喜助君。…むしろ君には皆、感謝してるよ。ねぇ?」
「あぁ…そうだな。」
「そうやな、どちらかと言えば迷惑かけとんのはうち等やろ。」
「キャハハッv 喜助た~ん、面白いのっ!」
「…喜助さん、私たちは貴方に感謝してもしきれませんです。」
「じゃけん、たまには顔だしてくれよ。…このじゃじゃ馬も寂しがるからな!」
「だっ!?誰がじゃじゃ馬や!寂しがるわけないやろ!このボケがっ!!」
「おぉ~、別にお前とは言っとらんけどな…ひよ里。」
「・・・皆さん、ありがとうございます。」
こうして喜助はヴァイザードの面々に温かく歓迎されて、久々の再会に昔話に花を咲かせていたのであった。